リフォーム営業の仕事内容とは?
まずはリフォーム営業の仕事内容について説明します。
リフォーム営業とは?
リフォームとは家を改装、改築することを指します。
新築を建てましょうという営業ではなく、例えば屋根に太陽光パネルを設置したり、外壁を塗装したり、家の中をバリアフリーに改装したりという提案をするのがリフォーム営業です。
リフォームは、リフォーム会社というリフォーム専門の建築会社が営業している場合もありますし、近年は戸建て住宅を作る工務店がリフォーム事業に参入しているケースもあります。
一昔前のリフォーム営業
一昔前のリフォーム営業の代表的な営業手法が飛び込み営業です。
特に太陽光発電が開始された当初はさまざまな業者が太陽光発電のリフォームに関する飛び込み営業を行っていたのを記憶している方もたくさんいらっしゃると考えられます。
それ以前から、リフォーム業者は案件が発生そうな家を見て飛び込み営業をしていましたが、近年このようなリフォーム営業は、消費者から嫌われる傾向があります。
悪徳リフォーム業者も多く、消費者もそのことを認知しているのでリフォーム業者が飛び込み営業に来たというだけで、どうしても警戒する傾向にあります。
今も、飛び込みでリフォーム営業をしている企業もありますが、昔の太陽光のようなキラー商品が無いため、なかなか成約するのは難しいです。
インバウンド中心のリフォーム業者
このようなリフォームにおける飛び込み営業の限界から、近年はインバウンド系の営業手法で見込み客を集めて、その見込み客に対して営業をするリフォーム業者も増加しています。
このような手法で営業している企業の場合はリフォーム営業でも飛び込み営業をしなくても良い分だけ効率的に営業することができます。
業者に対するリフォーム営業
不動産会社の下請けとして、管理している物件のリフォームを担当する場合もあります。この場合は、案件を獲得するのに手間はかかりませんが、不動産会社とのコネクションを築くまでが非常に大変です。
また、せっかく不動産業者と取引ができるようになっても、価格競争などで利幅が薄くなる場合もあります。
リフォーム営業で重要なクレーム対応
リフォーム営業はリフォームの案件を見つけて、リフォームの提案をして工事は自社のリフォーム工事部門か外注業者を使って行い、営業が代金回収などを行います。
ここでポイントになるのがリフォーム業界はクレームが発生しやすいということです。一昔前は「リフォーム業界はクレーム産業」とも呼ばれていました。
これは、工事の不手際なども、もちろんありますが、営業と契約者の間で十分なコミュニケーションがとれていないことからもクレームが発生しがちです。
工事でクレームが発生しないように内容を契約者ときちんとすり合わせておく、そして工事の不手際などでクレームが発生した場合はきちんと処理して代金を回収するというのがリフォーム営業の重要な役割です。
リフォーム営業の年収、キャリア、待遇とは?
リフォーム営業の年収、キャリア、待遇などについて説明します。
リフォーム営業の年収
まず、リフォーム営業は営業の中でもインセンティブの割合が多い職種です。よってインセンティブ次第では中小のリフォーム業者であっても年収1,000万円以上を狙うことは十分可能です。
ただし、転職サイトなどを見ると、基本給は20~30万円程度になっている求人も多いので、決してベースの給料は高いと言えません。
よって、年収は契約が取れなければ普通の営業よりも低いけれども、きちんと契約が取れると十分に高給が狙えると考えられます。
ただし、新築営業や投資用マンションの販売などの方が1件の契約によって発生する利益も多いので、これらの方が高いインセンティブを獲得できると考えた方が良いでしょう。
一方で不動産の賃貸営業などと比較すると高給になることが多いです。
ちなみに、リフォームには飛び込み型と反響営業型の営業方法があると説明しましたが、難易度が高くなる分だけ飛び込み営業型の方が、インセンティブが高い傾向があります。
リフォーム営業のキャリア
一般的に営業の中でも、大変なことが多いので離職率も高いです。また、不動産業界内での転職も比較的多いです。
よって、1社でキャリアを積んでキャリアアップを図るというよりは、営業としてのスキルを積んで条件の良い会社を転々とするパターンの方が多いと考えられます。
また、リフォーム会社と名乗っていても工事は外注の職人に任せていて、自社ではリフォームしないケースもあるので、営業ノウハウさえ積んで、外注の職人を確保すれば、リフォーム会社を起業することも可能です。
会社に任せるというよりは主体的に自分のキャリアについて考えた方が良いでしょう。
リフォーム営業の待遇
もちろん、就職する会社によって異なりますが一般的には、給料以外の福利厚生が充実していないことが多いです。
一般消費者を相手にするビジネスなので、必要に応じて土日などの休みの日も営業する必要がありますし、契約が取れていない、クレームが発生していると残業時間も長くなります。
特徴的な待遇として住宅の購入やリフォームを社員割引で利用できる場合があります。
待遇が良いリフォーム会社だと、家族手当や資格手当などの各種手当や、財形貯蓄、社員旅行など、福利厚生が充実している企業も存在するので各企業の待遇条件をきちんとチェックしてください。
リフォーム営業のやりがいとは?メリット、デメリットをまとめました!
リフォーム営業のやりがいやメリット・デメリットなどについて説明します。
リフォーム営業のやりがい
リフォームは安くても数十万円、数百万円かかることもありますし、大規模なリフォームだと1,000万円以上になることもあります。決して安い買い物ではないので、お客様はリフォーム業者を真剣に選定しています。
この様な状況で、数あるリフォーム会社から選ばれるためには、たくさんの苦労があります。そもそもお客様との信頼関係を構築しないといけませんし、お客様の要望にあった良い提案をしないと受注することはできません。
このように難しい営業だからこそ、受注できたときの感動はひとしおですし、きちんと仕事をするとお客様から非常に感謝される仕事でもあります。
このような営業としての難しさやお客様の信頼感は、営業という仕事が好きな人にとっては大きなやりがいとなります。
リフォーム営業のメリット
リフォーム営業のメリットとしてまず挙げられるのが、自分の頑張り次第で高給を獲得できることです。
先ほど説明した通り、リフォーム会社には営業のインセンティブを高めに設定している会社も多いので、きちんと成果を残せば、年齢や社歴に関係なく高給を狙うことができます。
また、営業としてのスキルも身につきやすいです。
見込み案件を獲得するのが難しかったり、クレームが発生しやすかったりするということは、その分だけ営業としてのスキルを高めるチャンスにつながります。
営業としてのスキルを高めることができれば、色々な業界に転職してもその経験を役立てる事ができ、その後のキャリアの幅が広がるので、いわゆる「営業力」を身につけるためには良い業界です。
リフォーム営業のデメリット
一方でリフォーム営業にはデメリットも存在します。
まずデメリットとして挙げられるのが、営業の中でも比較的つらい営業になりやすいことです。
ノルマが設定されていることも多いですし、クレームも発生しやすい業界なので、精神的に不安定な場合は、あまりリフォームの営業は向いていません。
きちんと自分で精神や体調をコントロールして営業しないと、体調を崩して仕事ができなくなる可能性もあります。
仕事が大変ということは、成長ややりがいがあることの裏返しでもありますが、向いていない人がストレスを感じながらやり続ける位なら他の営業職に転職しても良いでしょう。
また、インセンティブが高いということは、それだけ給料がインセンティブによって不安定になるということです。
浪費癖がある人は生活が不安定になりやすいので注意してください。
もちろん計画的にお金を使える人であれば問題ありませんし、飛び込み系ではなく反響営業系のリフォーム営業の場合はインセンティブの割合は低いので給料は安定します。
リフォーム営業に向いている人、向いていない人とは?
リフォーム営業に向いている人と向いていない人の特徴について説明します。
リフォーム営業に向いている人
まず、リフォーム営業に向いている人の特徴としては以下のとおりです。
精神的にタフである
まず向いている人の第一の特徴として挙げられるのが、精神的にタフであることです。
先ほど説明した通り、リフォーム営業はノルマやクレームなど精神を圧迫するストレス源が発生しがちです。
これは優秀な営業パーソンなら大丈夫というわけではなく、優秀な営業パーソンは優秀だからこそ人一倍ノルマに対するプレッシャーが高まりますし、優秀な営業になればクレームが無くなるというわけではありません。
このようなストレス源に向き合いながらときにはストレスを受け止めて、ときには受け流して、ストレスを上手く処理できる精神的なタフさがリフォーム営業には必要です。
愛想が良い・コミュニケーション能力がある
愛想が良い、コミュニケーション能力があることもリフォーム営業の資質です。
リフォームは契約する段階ではまだ商品は存在しませんし、単価も数十万円から数千万円と非常に高価な買い物です。
よって、お客様はリフォームの提案内容も確認しますが、担当している営業が信頼できそうかを営業パーソンが考える以上に気にしています。
よって、きちんとした提案をすることもさることながら、まずお客様に良い印象を持ってもらう必要があります。
愛想が良く・コミュニケーション能力が高くお客様から信用されるというのは重要な資質です。
勉強好きである
一昔前の太陽光発電のようなキラーコンテンツが無くなったために、今のリフォーム営業は色々な商材を提案する必要があります。
そして、色々な商材を提案するためには、そもそも営業パーソン自身が商材に関する知識を身につけておく必要があります。できれば具体的な工法などについても知っておいた方が良いですが、最低限商品の種類や特徴などは抑えておいた方が良いです。
リフォーム営業に向いていない人
リフォーム営業に向いていない人には以下のような特徴があります。
安定して働きたい
もちろん、リフォーム営業でも安定して働ける人は存在しますが、向き不向きが激しい職業であることには変わり在りません。よって、せっかく就職しても向いていなかったり、環境が厳しくなったりして離職する人も存在します。
定年退職まで勤務できるケースも稀なので、安定して1つの会社で長く勤めたいという人にはあまり向いていないでしょう。
根気の無い人
リフォームは購買頻度が低いビジネスなので、常に新規営業が必要になります。そして、常に新規営業を繰り返していると、どれだけ優秀な営業パーソンでもスランプに陥ってなかなか成果が出せないときもあります。
このような時期にくじけてしまうと、せっかく優秀な営業でもリフォーム営業として成果を出すことはできません。
よって、根気の無い人はリフォーム営業に向いていません。
デキるリフォーム営業のコツ、トークのテクニックとは?
デキるリフォーム営業のコツ、トークのテクニックなどについて説明します。
リフォーム営業のコツ
リフォーム営業のコツはいくつかありますが、まず重要なのは営業を標準化することです。
標準化では特に反響営業でよく使われる手法で営業のときにアプローチブックを使って、成約しやすい営業トークを繰り返せるようにします。
デキる営業はわざわざアプローチブックを作る事はありませんが、実はいくつかの成約率の営業トークを持っていて、それを顧客に言い回しを変えて行っているのです。
デキる営業になるためには自分の普段のトークを意識して成約率が高い営業トークを明確にした方が良いです。
また、商品を絞り込んだ方が良いです。リフォームには色々な商品がありますが全ての商品で成約率の高い営業がデキるようになるためには時間がかかります。
まずは何か一つの商品に特化した営業力を身につけることが、デキる営業になるための近道です。
リフォーム営業のトークのテクニック
では、リフォーム営業のトークについて具体的にどのようなテクニックを意識すれば良いのかについて説明します。
まず、商品を積極的に売り込まないようにしてください。お客様はリフォーム自体をしたいわけではなく、リフォームによって普段の生活を変えたいのです。
よって、具体的な商品を提案するよりも先にまずは、お客様の状況をヒアリングし、要望を把握し、リフォームすることによって生活がどのように変化するのかをイメージさせる必要があります。
生活をイメージすることによって、購入意欲を高めてから具体的な商品を提案します。
また、クロージングについても気を使う必要があります。最終的にクロージングはしなければなりませんが、いきなりイエスかノーかの選択をお客様に迫るとお客様はノーを選んでしまいがちです。
デキる営業は、小さなイエスを積み重ねながら、クロージングをしていきます。例えばお客様のご要望をそのまま確認のために、これでよろしいでしょうか?と確認していくとお客様は自然とイエスを繰り返します。
そして、お客様の要望をきちんと確認して、イエスを繰り返した後にクロージングをした方が成約しやすくなります。
リフォーム営業に必要なスキル、役立つ資格とは?
リフォーム営業に必要なスキルや資格について説明します。
必須の資格はない
まず、リフォーム営業に必須の資格は存在しません。何も資格のない状態からでも転職は十分に可能です。
ただし、リフォーム営業は時としてお客様のお宅にお伺いして営業をしなければならないために自動車免許が必須になっている求人も多いです。自動車の免許は持っておいた方が良いでしょう。
ちなみに、不動産・建築業界で比較的ポピュラーな資格としては宅地建物取引士や建築士の資格があります。
リフォームにおいてはいずれの資格も必要ありませんが、リフォームを始めとする不動産関連の業界で長期的に働いていきたいなら宅地建物取引士、建築やリフォームに関する基礎知識を身につけたいなら建築士の資格は取得しておいても良いかもしれません。
また、会社によってはこのような資格を持っていると給与とは別に資格手当がもらえることもあります。
リフォーム営業に必要なスキル
リフォーム営業には、スキルとして他の業界よりも高い営業力が求められます。ここで言う営業力とは、どこの業界にも通じるような、見込み客の作り方、信頼関係の構築の仕方、クロージング能力など普遍的なスキルのことを指します。
リフォーム営業はもちろん商材に対する知識も必要ですが、お客様との関係性構築が営業職の中でも強く求められるので、まずは営業力が重視されます。
また、クレームが発生しがちな業界なので、ただクロージングができるだけではなく、クレームが発生した場合でも、お客様と話し合って折り合いをつけてクレームを処理する交渉能力もリフォーム営業では重要です。
リフォーム営業への転職方法とは?自分に合った求人の選び方を解説!
では、リフォーム営業へどうすれば転職できるのか、自分にあった求人の選び方について説明します。
大手から零細まで求人は様々
リフォームは起業しやすい業種で、誰もが知る超大手企業から、社員数人で活動している零細企業まで様々な事業規模の会社が存在します。
また、営業の中でも向き不向きが分かれて、離職率が高くなりやすい職種なので、営業職の求人は比較的豊富です。
よって、求人は簡単に見つけることができますので、数ある求人の中から自分の条件に合致した求人を探すことの方が大変です。
求人はハローワークや転職サイトで簡単に見つけることができますが、取捨選択が難しいので不動産建築業界や営業系の案件に強い転職エージェントを適宜利用しても良いでしょう。
自分に合った求人の選び方
数ある求人の中から自分に合った求人はどのように選べば良いでしょうか。主に重要な着眼点が、営業手法、給与体系、福利厚生の3つです。
営業手法
まず、求人を取捨選択するにあたって重要なのが営業手法です。
営業手法とはすなわち、飛び込みなのか、反響営業なのか、それとも不動産会社をルート営業するのかなど、どのような営業が求められているかということを指します。
同じリフォームに関する営業でも、飛び込み営業と反響営業では、営業の難易度が大きく異なります。また、反響営業をいくら繰り返しても、見込み客を集めるための営業力はなかなか身につけられません。
自分がどのような営業をしたい、どのような力を身につけたいのかによって企業を絞り込むために営業手法で求人を取捨選してください。
給与体系
続いて気にするべきなのが給与体系です。
リフォーム営業はインセンティブの割合が高くなりがちなので、求人の想定年収を見て、一定以上の年収が貰えそうだなと思っても、年収を分解するとインセンティブの割合が多くて、基本給が意外と少ないという場合もあります。
また、更に給料にはみなし残業代が含まれている場合もあるので注意してください。みなし残業代が給料の中に含まれていると、みなし残業代の範囲で残業をしても実質的には残業代は貰えません。
よって、残業が多い企業の場合は実質的に想定している年収よりも時間当たりの賃金が下がってしまいます。
想定年収に騙されるのではなく、きちんと基本給とインセンティブの割合やどの位みなし残業代が支給されているのかを見た上で、給料が良いのか悪いのかを判断してください。
福利厚生
最後に紹介するのが福利厚生という観点です。
休みの取りやすさや手当の豊富さなど人によって重視している点は異なると考えられますが、比較してみると、同じようなリフォーム営業の求人でも福利厚生には意外と差があったりします。
給料だけではなく、福利厚生も確認してください。
リフォーム営業からよくある転職先とは?
リフォーム営業からのよくある転職先について説明します。
基本的には不動産・建設業界内
基本的には、リフォーム営業としての経験を活かすために不動産・建設業界内で転職する場合が多いです。
同じリフォーム営業内で転職するケースもありますが、より高インセンティブを求めて新築の営業に転職したり、逆に安定して働くために賃貸の営業に転職したりと、不動産業界内の転職で給料と働き方のバランスをコントロールできます。
特に、今後少子高齢化によって新築の着工棟数の減少が予想されているので、リフォーム市場は新築メーカーなどからも注目されています。
リフォームの営業として成果を出した経験によって、リフォームに興味を持っている建設・不動産業界内で転職しやすくなるでしょう。
営業力を活かして訪問販売などにも
飛び込み型の営業を経験したリフォーム営業の場合は自然と訪問販売に関するスキルを身に着けていることが多いです。
よって、不動産・建設業界内での転職だけではなく、他業界の訪問販売系の営業もリフォーム営業から転職しやすいです。
独立できるのか
リフォーム営業のキャリアの部分でも少し説明しましたが、リフォーム会社の中には、自社で施工せずに、施工は全て外注の職人に任せているケースが少なくありません。
よって、リフォーム営業できちんと成果を出せるのならば、外注の職人さえ見つければリフォーム会社を起業することができます。
もちろん、起業すれば必ず儲かるというわけではありません。
近年は、リフォーム業界内でも競合が激しくなって、各地域で反響営業型の手法で実績をだしている企業が増加していて、このような会社はマーケティングや展示場に少なからずお金を掛けています。
このような企業の商圏から外れていたり、勝てる見込みがある場合は挑戦する価値はありますし、近年はリフォーム会社のフランチャイズなどに加盟して事業を始める人も増えています。