業種

ウォーターサーバー営業はきつい?年収・給料から営業のコツ・トーク術、求人の探し方まで解説!

ウォーターサーバー営業の仕事内容とは?

まずは、ウォーターサーバーの営業とはどのような仕事なのかについて説明します。

ウォーターサーバー販売のビジネスモデル

ウォーターサーバーの営業とはどのような営業なのかを紹介する前に、前提としてウォーターサーバーの販売・レンタルとはどのような商売なのかについて説明します。

ウォーターサーバーとは、タンクに入れられた水から冷水や熱湯を供給する装置のことを指します。

ウォーターサーバーの営業ではこのウォーターサーバーをレンタル・もしくは販売、水タンクを販売することになります。

水は原価率が低く、サーバーをおいている限り定期的に購入されるので、安定した収益を上げやすいビジネスモデルです。

ウォーターサーバーサービスを行っている会社が直接ウォーターサーバーと水を販売している場合もあれば、代理店が販売している場合もあります。

また、類似のサービスとしては水道水をろ過するシステムを販売・レンタルする、ウォータースタンド・浄水器というサービスもあります。

タンクに入っている水の種類

もちろん、ウォーターサーバーに入っている水はただの水道水ではありません。販売している水は大きく分類して2種類にわけることができます。

まず1種類目がRO水と呼ばれる水です。RO水は「RO膜」という特殊なフィルターによって水をろ過して、ミネラルなどの水に含まれている不純物を除去した水のことを差します。

水はミネラルが含まれていることによって、美味しさを感じることができるので、実際にはミネラルを除去した後に、人工的にミネラルを再度水に添加しています。

もう1種類は天然水です。コンビニやスーパーで売っているような天然水をタンクに詰めて利用者に届けているのです。天然水は産地によって水の中に含まれている成分が異なり、ミネラルの多い硬水と少ない軟水では飲んだときの口当たりや味が変わります。

ウォーターサーバーのレンタルや販売の営業をしているというよりも、これらの水を宅配するサービスの営業をしているので、扱っている水の性質についてはきちんと知っておく必要があります。

ウォーターサーバーは普及している?

ウォーターサーバーは年々普及しています。昔は薬局などの一部の施設にしかおいていませんでしたが、現在は普通の企業のオフィスや一般家庭でもウォーターサーバーを置いていることが増えました。

昔は水といえば水道水を飲んでいましたが、コンビニや自販機などで取り扱いが増えたことによって、「水を買う」という文化が社会に普及しつつあります。また、災害用の水の備蓄手段としても注目が集まっています。

日本水宅配水&サーバー協会が行った調査によると、2007年には約280億円だった宅配水の市場規模が2017年には約1430億円まで成長しているという結果がでています。

成長は鈍化傾向にありますが、それでも年数%ずつ市場が拡大しています。

営業の手法

このように市場規模が大きくなっている、ウォーターサーバーですが、営業方法は大きく分けて、新規の飛び込み営業や、テレアポによる営業、催事などでの反響営業により営業を行うことが多いです。

このあたりの詳しい仕事内容は次の章の「ウォーターサーバー営業はきついって本当?」でその営業難易度とともに解説します。

ウォーターサーバー営業はきついって本当?

では、ウォーターサーバーの営業はきついことが多いです。この理由について、販売方法とともに紹介します。

浄水器の訪問販売

2000年前後のウォーターサーバーが世の中に知られる前、飛び込み営業の商材として浄水器が流行った時期がありました。

家庭に飛び込み営業を行って、水質検査キットのような道具を使って、水道水は汚いということをアピールして家庭用の浄水器を取り付けてもらうという手法でしたが、この営業手法が社会問題化しました。

ちなみに今でも定期的に浄水器の販売業者が、虚偽説明などで逮捕される事例は発生しており、浄水器の訪問販売でトラブルが多いことから、水に関連する商材の販売には警戒した方が良いという刷り込みが世間に根付いている面もあります。

ウォーターサーバーと飛び込み営業

訪問販売自体が近年は良い印象を抱かれませんし、特に水に関連する訪問販売というのは浄水器の例もありますので、きちんと営業しようとしてもあまり良い印象を抱かれない傾向があります。

このような理由からウォーター営業の飛び込み営業は大変になりがちです。ただでさえ、良い印象を抱かれていない状態から営業力とトークスキルで挽回して受注までつなげなければならないからです。

よって、訪問会社でウォーターサーバーを販売するというのは、きついと考えた方が良いでしょう。

また、訪問販売は特定商取引法という法律によってさまざまな規制を受けています。例えば、営業する過程に訪れた際はまず会社名や氏名を名乗って、勧誘目的であることを説明する必要があります。

更に一度購入を断られたら再び勧誘してはいけませんし、日常で必要とされる量以上の商品を販売することは禁止されます。

その他細かい規則まで入れると、コンプライアンスを遵守しながら契約を獲得するのは非常に困難です。

テレアポで販売する

ウォーターサーバーの営業でもう1つ使われやすい営業手法がテレアポです。企業や個人の名簿を入手して、電話でアポイントを取ってから営業をする手法です。

大抵の場合は、営業トークの基準となるトークスクリプトがあって、そのトークスクリプトをベースにひたすら電話をかけます。

もちろん、無駄に移動しなくて良い分だけ、飛び込み営業よりも体力的には、楽な傾向がありますが、断られたり、冷たい対応をされたりするのに慣れるまで精神的にきついです。

しかし、断られることに慣れたり、営業トークが洗練されたりしてアポイントが取れはじめてくると徐々に楽しくなってきます。

ちなみに、テレアポもその後の訪問営業も同じ営業パーソンが行う場合もありますし、アポインターというテレアポ専用の部隊がアポイントをとって、営業パーソンが実際に営業をする場合もあります。

また、テレアポ自体を外注している場合もあります。このような場合はアポイントを自分で獲得しなくても良い分だけ営業は楽です。

催事で反響営業をする

飛び込み営業も、テレアポも基本的には自分で見込み案件を獲得していくアウトバウンド系の営業になりますが、アウトバウンド系の営業は成約率が低いので精神的にも肉体的にもきつくなりがちです。

ウォーターサーバーの営業の中でも比較的楽な営業方法が催事を利用した反響営業です。

例えば、ショッピングモールや家電量販店にブースを出して、そこでウォーターサーバーの実演を行って、そこでの反響をベースに営業していくスタイルです。

この方法なら、興味がある人しかブースに来ませんし、断られるときもやんわりと断られます。また、そもそも興味はない人は寄り付かないのでストレスなく営業することができます。

営業とツメの文化

このように営業すること自体も大変ですが、ウォーターサーバーの営業に限らず、飛び込み営業やテレアポなどを使ってアウトバウンド営業をする営業会社にはツメの文化を持っている企業が多い傾向にあります。

営業成績を競わせて、アポイントや受注が獲得できていない社員を叱咤激励する文化を持っている企業も多いので、慣れていない人には精神的なプレッシャーもあると考えられます。

向き不向きが分かれて、慣れが大事

ウォーターサーバーの営業は以上のようにきついことが多いのですが、その中でも慣れてくる人も存在します。慣れてくれば、意外とテレアポも飛び込み営業も楽しみながら行えます。

ただし、向き不向きがはっきり分かれる職業で、慣れない人は体調を崩したり、精神的にきついことも多いので、覚悟を持って就職するか、ダメならすぐ辞める位の気持ちで挑戦した方が良いです。

ウォーターサーバー営業の年収・給料とは?待遇や身につくスキルをまとめました!

では、ウォーターサーバー営業の給料はどうなっているのでしょうか。待遇や身につくスキルについて説明します。

ウォーターサーバーの営業の年収・給料

ウォーターサーバー営業の年収について説明します。まず営業方法によって雇用形態と年収が違うことも多いです。

営業の社員は、正社員として雇用されることが多いですが、催事やテレアポのスタッフはアルバイトやパートとして雇用されていることも多いです。

テレアポも営業も社員の場合は月給20~30万円+歩合給程度に設定されている場合が多いです。月給の中にみなし残業代が含まれていても残業をしてもあまり残業代が支給されないという企業も多いでしょう。

歩合によって高給になるとは言っても、不動産や保険のように年収1000万円を超えるような著しい高給になることも少ないと考えられます。

転職サイトの口コミや求人をベースに予想すると、トータルの年収としては300万円~450万円程度になることが多いと考えられます。

アルバイトの場合は、催事もテレアポも1500円前後が目安となると考えられます。未経験からでも採用されるアルバイトとしては比較的高額です。

ただし、ある程度の精神的な大変さが覚悟しておく必要があります。

ウォーターサーバーの営業の待遇

では、ウォーターサーバーの営業はどのような待遇なのでしょうか。まずウォーターサーバーのメーカーとして営業しているのか、販売代理店として営業しているのかによっても待遇が異なります。

メーカーの場合は長く働けるように福利厚生を充実させていることも多いです。

一方で販売代理店は大量採用大量離職を前提に採用しているので長く働けるように福利厚生を整えるというよりもインセンティブを充実させていることが多いです。

どちらにも一長一短ありますが、長期間にわたって働きたいのならば福利厚生が充実している可能性が高いメーカー側で働いた方が良いでしょう。

一般論としては、1人当たりの収益が決して高い業種ではないので福利厚生は充実していることは少ないです。

ウォーターサーバーの営業で身につくスキル

ウォーターサーバーの営業で身につくスキルについて説明します。

まず、ウォーターサーバー自体は特に商材としての深みがあるわけではありません。よって、一定程度経験を積めば、商材に関して持っている知識はほとんど同じになります。専門知識が身につくことは期待しない方が良いでしょう。

営業パーソンによって、成約数に歴然とした差がつくのは営業力に差があるからです。ウォーターサーバーの営業で身につくのはテレアポ力と営業力です。

営業の中でもウォーターサーバーの仕事内容で説明したようなテレアポや飛び込み営業などの営業を行う企業は少なくなっています。

ただし、これらの2つのスキルはどこの業界で営業する際にも成果を発揮できる普遍的な営業能力です。

ウォーターサーバーの営業でどのような商材でも応用できる普遍的なアポイント獲得からクロージング能力までが身に付きます。

ウォーターサーバー営業のコツ、即決するトーク術など営業方法を解説!

では、ウォーターサーバー営業にはどのようなコツがあるのでしょうか、トーク例と共に営業方法について説明します。

営業する相手に徹底的にこだわる

まず、ウォーターサーバーの営業を行う上で最も重要なのが営業する相手に拘るということです。

会社からテレアポや営業リストが渡されている場合、一社員の判断だけでリストを指定することができない可能がありますが、ある程度ターゲット選定に裁量があるのならば、ターゲットの選定には拘るべきです。

ウォーターサーバーの営業をする場合、ランダムに営業をするのと、災害によって水が無くなって非常時のための水の備蓄の必要性を感じているであろう地域に営業したのではおそらく後者の方が成約率は高くなります。

後者の方が、水を備蓄したいというニーズが発生している可能性が高いからです。このように買ってくれそうなターゲットを絞り込むことによって営業の生産性を向上することができます。

また、ランダムに営業すると何がそのターゲットの心に響くフレーズになるか探りながら営業していく必要がありますが、後者の場合は「災害用の備蓄」が響くだろうと想定して営業トークも組み立てやすくなります。

このように反響率が高くないであろう商材ではターゲットを明確にして、そこにアプローチすることが重要です。

家にウォーターサーバーがある生活を想像させる

ウォーターサーバーも競争は激しくなって価格競争も進んでいます。サーバーのレンタル料金は無料で、スーパーなどでミネラルウォーターを買うよりも安いコストで利用できることも多いです。

よって、ウォーターサーバーがあることによって生活が便利になるのならばお客様が衝動的に商品を買う可能性があります。

お客様に買いたいという衝動を発生させるのは、ウォーターサーバーがある生活を想像させることが必要です。

例えば

「水割りを毎回作るのに、ミネラルウォーターのペットボトルを冷やしておくのは大変ですよね、ウォーターサーバーがあれば、いつでも美味しい水割りが作れますよ」

「赤ちゃんのミルクを作る時に、いちいち水道水を煮沸しなくても、ウォーターサーバーの水なら直接粉ミルクを溶かせますよ」

「その位スーパーでお水をご購入されているならば、いっそのことウォーターサーバーを置いた方が割安だし持って帰る必要が無いので、買い物の手間が省けますね」

のようなトークが考えられます。お客様のライフスタイルについて探りながらウォーターサーバーがあることによって、どのように生活が改善されるのかを提案する必要があります。

とりあえずお試しレンタルまでクロージングする

ウォーターサーバーに中にはお試しで無料レンタルできるサービスも存在します。このようなウォーターサーバーに営業をしている場合はとりあえず、お試しレンタルまでは頑張ってクロージングすることが重要です。

お客様の中には本当は欲しいと思っていても、漠然と決断したくないから購入を悩む人が存在します。このような人は無理にクロージングしようとすると、警戒することも多いです。

このようなお客様をクロージングするときに有効なのが、相手にリスクの無い落としどころです。

例えば
「では、せっかくお申込みいただきましたので、こちら無料で一週間お使い頂いて、必要ないと思えばそのまま弊社に返却してください。」

と一旦クロージングします。すると、お客様もNoとは言わないはずです。

その後のレンタル期間にも

「商品についてご不明な点はございませんか」
「お水が切れたらいつでもお申し付けください、すぐ手配させていただきます」

のように当たり障りのないけれども、自社のことを忘れさせないようなフォローを定期的に行います。

そしてお試しレンタル期間終了後にクロージングを行います。クロージングの仕方は2パターンです。

一定以上使っていた場合は
「この位の量、普段ご使用されるのならば同じ量のミネラルウォーターを購入するよりも●●円位お得ですし、弊社が配達するので重いペットボトルを持たなくてもよくなりますね」

あまり使っていなかった場合は
「今回はお試しレンタルでしたが、実際にご使用された量を金額に換算すると料金は●●円位になります。この位のコストならばいざというときのために置いておいても良いかもしれませんね」

のように相手にとって必要である、導入することにリスクがないことをアピールしてクロージングします。以上のように無料のお試しをいったん挟むことによってクロージングがしやすくなります。

ウォーターサーバー営業への転職方法、求人の探し方とは?

では、ウォーターサーバーの営業にはどうやって転職すれば良いのでしょうか、転職方法や求人の探し方について説明します。

ウォーターサーバー営業への転職方法

まず、先ほど説明したとおり、ウォーターサーバーの営業をしている訪問販売会社は大量採用大量退職を前提にして採用を行います。よって、営業未経験であっても、若くてやる気さえあれば十分に採用される可能性があります。

転職方法も求人サイトなどから応募して簡単に1回面接をしてすぐ採用されるというケースも多いと考えられます。

面接で良い人材を見極めるために複数回面接しても、結局離職するかもしれないので、面接の回数は少なく、合格可能性は高いでしょう。

ウォーターサーバー営業の求人の探し方

採用されるのは簡単で、求人自体はハローワークや転職情報誌など様々な転職に関する求人媒体で確認できます。

ただし、求人の選び方にはいくつかのポイントがあります。

まず、先ほど説明した通り、飛び込み、テレアポ、催事営業によって契約の難易度が大きく異なります。

よほど自身が無い限り飛び込み営業で案件を獲得する会社の求人は避けた方がよいでしょう。

催事営業が一番楽ですが、催事営業は仕組みで見込み案件を作っているので、ウォーターサーバーの営業をしたときに身につけられる独特の粘り強い営業力も身につきにくい可能性があります。

スキルをつけて、かつ、そこそこの実績を出すという観点で考えると、テレアポに対する反響営業が、バランスが良いと考えられます。

その他のチェックポイントとしては給料の仕組みについてはきちんと確認しておいてください。良い給料がもらえるように見えても、みなし残業代とインセンティブ込みの年収例で実際は基本給がとても少ないかもしれません。

未経験から営業する場合ははじめのうちは契約が取れずに苦戦するはずなので、きちんと基本給でどの位もらえるのか、それでも生活できるかがきちんと確認しておいてください。

研修内容もチェックしておいた方が良いでしょう。マニュアルだけ見せられてほとんど研修も行われないまま、実践を求められるケースも多いです。不安な人はきちんと研修をしていそうな会社を選んだ方が良いです。

ウォーターサーバー営業の退職理由とは?どんな転職先がある?

では、ウォーターサーバー営業を退職する理由としてはどのような理由があるのでしょうか。また退職した場合どのような転職をするのでしょうか。

ウォーターサーバー営業の退職理由

まず、理由の第一と考えられるのが営業の大変さです。営業の中では比較的難易度が高い部類に入る割に未経験でも採用される可能性が高いです。

よって、ウォーターサーバーの営業について、普通のメーカー営業が商社の営業と同じような感じで考えてしまい、後でその大変さに気づいて、営業未経験者はなかなか契約を獲得できずに辞めてしまうことも多いです。

また、同じように新規の飛び込み、テレアポありでも不動産販売の営業の方が成功したときの収入は多くなりやすいと考えられます。

よって、ウォーターサーバーの営業として一定の成果を収めていても、もう少し労働のコストパフォーマンスが良い営業の仕事を求めて転職することが考えられます。

ウォーターサーバー営業からの転職先

ウォーターサーバーの営業からの転職先は多種多様です。

まず、ウォーターサーバーの営業を実際に行って、会社の第一線を売り上げを作る仕事は大変だと諦めた人は、経理や一般事務のようなバックオフィス業務に転職して営業に関わらないようにしようとすると考えられます。

一方でウォーターサーバーの営業として一定以上の成果を収めていて、転職する場合はよりインセンティブの高い営業の仕事に転職することも多いです。

不動産や保険の販売は、ウォーターサーバーでの営業の経験を活かして新規開拓を行いやすいので、このような業界に転職して高年収を目指す人材も多いと考えられます。

いずれにしてもウォーターサーバーの営業に転職したとしても定年まで勤務し続けることはないはずです。ウォーターサーバーの営業を辞めたあとにどのような会社に就職するのかも考えた上で就職するようにしてください。