そもそも広告営業にはどんな種類がある?
まずは、そもそも広告営業にはどのような種類があるのかについて説明します。
自社媒体と代理店
まず、広告営業は自社媒体に関する営業か、広告代理店の営業かの2つに分類することができます。
自社媒体の広告営業とは、すなわち自社で媒体を保有している企業の営業が自社メディアの広告枠に広告を掲載してくれる企業を集める営業です。フリーペーパーや求人情報誌などが直接営業型の広告営業であることが多いです。
広告代理店の広告営業とは、メディアを持っている会社とメディアに広告を掲載させたい企業の仲介や広告掲載のサポートをして収益をあげる営業を指します。テレビやWEBメディアは広告代理店による営業が多いです。
広告代理店は更に、総合的に広告の仲介をしている総合広告代理店、特定のメディアに強みを持った専門広告代理店、メディアを持っている会社の子会社で、親会社のメディアを中心に仲介するハウスエージェンシーという3つの形態があります。
本質的には同じ
以上のように、広告営業と一口に言っても様々な営業がありますが、広告を掲載したいお客様を見つけてきて、広告を掲載するという意味では広告営業の仕事は本質的には同様です。
自社メディアか代理店か、代理店ならどの形態の代理店かによって働き方は若干変わってきますが、広告というツールを使ってクライアントの目標をかなえるサポートをしなければならないは、どの営業にも共通します。
広告営業は、お客様に広告の提案ができるプロフェッショナルである必要があります。
広告営業の仕事内容を解説!
では、広告営業はどのような仕事内容をしているのでしょうか。
見込み客集め
まず、見込み客集めの手法は広告営業の種類によって違います。
テレビCMのような広告だとクライアントになる企業はほぼ限られているのでルート営業ですし、強い影響力を持ったメディアを持つ親会社のハウスエージェンシーの場合は反響営業の場合もあります。
メディアとしてまだ知名度が低い媒体の広告営業の場合は、広告掲載者がいなければテレアポや飛び込み営業などによってクライアントを開拓しなければならない場合もあります。
つまり、見込み客集めのステップはどのような広告営業なのかによって異なります。
営業に求められる役割
見込み客に営業をして広告掲載の仕事を受注するのが営業の仕事です。
ただし、広告営業の仕事は受注が終わりではなく、むしろ受注が始まりだと言えます。広告掲載が決まると、営業とクライアントは二人三脚になって、掲載する広告を作成したり、掲載の準備をしたりと行動しなければなりません。
どの位広告の制作に関わるかは仕事の規模によって異なります。
例えば、単価の大きい仕事だと、広告掲載が決まると、営業がお客様との窓口としてクリエイターやマーケターやリサーチャーと分業で一つの広告を作り上げるケースもあります。
一方で、単価の安い仕事だと営業がほとんど内容を決めてしまって、クリエイターに制作を任せてしまうという場合もあります。
ただし、いずれにしても営業には広告のプロフェッショナルとして振る舞う必要があります。ただ、広告を販売するだけではなく、クライアントの要望に応じた成果が出せるように広告戦略について深い知識が求められます。
アフターフォローをしっかりと
営業と言えば受注するのが仕事だと思われるかもしれませんが、広告営業にとってはアフターフォローも重要です。
広告は形のない商品で掲載しただけではお客様にメリットはありません。広告を掲載して目標の効果が発生してはじめて効果があるのです。
よって、広告営業はきちんとアフターフォローする必要があります。成果が出た場合は成果を伝えれば良いですし、期待した成果が上がらなくてもきちんと結果と改善点について説明すれば次の仕事につながる場合もあります。
広告掲載の結果をきちんとフォローすることも、広告営業の重要な仕事です。
接待などは多いのか?
広告代理店と言えば、接待が多いというイメージがあるかもしれませんが、何の広告を営業しているかによります。
確かにテレビCMに関わるような総合広告代理店やテレビ局はクライアントの接待に時間をかけることもありますが、ほとんどの広告営業にはこのような文化はありません。
お酒が飲めなかったり、接待が苦手だったとしても、きちんと仕事はできるので安心してください。
広告営業の年収、キャリア、待遇とは?辛いって本当?
広告営業の年収やキャリア、待遇などについて説明します。
広告営業の年収
広告営業と言えば、高年収というイメージがあるかもしれませんが、実はピンキリです。
電通や博報堂のような総合広告理代理店の場合は30歳前後で年収1,000万円も夢ではないかもしれませんが、WEB広告や求人広告の営業の場合年収300〜500万円程度になるというケースもよくあります。
広告営業が働く、メディア企業や広告代理店は大手から零細まで事業規模の幅が大きく、どのような広告を取り扱っているかによって事業の収益性も異なるので、必ずしも給料は良いわけではありません。
ただし、インセンティブがつく広告営業も多いので頑張り次第では十分に高給が期待できます。
広告営業のキャリア
同じ企業内で出世を目指してキャリアアップしていくパターンと転職によってキャリアアップを図っていくパターンの2つが考えられます。
また、広告業界の中には給料が低めの会社もあるので異業界に転職する人もいます。
キャリアについては主体的に考えた方が良いでしょう。広告営業をしていて身につく、営業能力や広告に関するマーケティングの感覚は他の営業職に行って活かすこともできますし、成果を出せば他のより待遇の良い広告代理店への転職も狙えます。
ただし、キャリアに関する選択肢が多い分だけ、どのようにキャリア形成をしようか迷う可能性も高くなります。30代半ばくらいにはどのようなキャリアを目指すのか決めた方が良いでしょう。
ちなみに、大手広告代理店の場合は総合職として一部の専門職を除いた職種に配置転換される場合も考えられます。
広告営業の待遇
会社によって大きく異なります。
総合広告代理店の場合は大変な反面福利厚生は充実している傾向がありますし、ハウスエージェンシーは親会社の待遇に大きく影響を受ける場合が多いです。
新興のWEB系の広告代理店はベンチャー企業のようなユニークな福利厚生を持っている可能性もありますし、中小の収益があがっていない広告代理店は待遇がいまひとつかもしれません。
どの企業に勤めるかによって待遇は大きく変わると考えられるので、求人内容についてはしっかりとチェックしておいた方が良いでしょう。
広告営業はつらいのか
広告営業は待遇が良い反面つらいのではないかというイメージを持つ人が多いです。広告営業がつらいのかについて説明します。
新規開拓のつらさ
まず、広告営業のつらさとして挙げられるのが新規開拓のつらさです。
特に求人広告代理店の広告営業は、会社によっては新規顧客獲得のためにテレアポや飛び込み営業をしなければならない場合があります。
ただし、コンペやルート営業中心の広告営業もあるので一概に全ての会社の広告営業が新規開拓のつらさを経験しているわけではありません。
接待のつらさ
テレビCMなどの大きなお金が動く広告に関与している広告営業の場合は接待のつらさもあります。
昼間は仕事をして夜も接待で飲みに行ったり、土日にクライアントと出かけたりとプライベートを確保しにくいつらさが考えられます。
ただし、このようなつらさを持っているのは一部の大きなお金が動く広告に関与する広告営業だけです。
広告に対する責任
どの広告営業も少なからずつらさを感じるのが広告に対する責任です。
先ほども説明した通り、クライアントは広告掲載自体ではなく、広告によって発生する何らかの効果が目的です。よって、クライアントの目標を達成するために、営業は責任を持ちます。
広告の作成スケジュールが遅れたり、思ったような成果が上げられなかったりなど、責任があるからこそ、広告営業はつらい思いをすることが多いです。
広告営業のやりがいとは?メリット、デメリットをまとめました!
広告営業にはどのようなやりがいがあるのでしょうか?メリット・デメリットとともに説明します。
広告営業のやりがい
先ほど、広告営業のつらさについて説明しましたが、これらのことは裏を返せばすべてやりがいになりうることです。
例えば、新規開拓や広告に対する責任のつらさは大変な反面やり遂げたときの達成感は大きくなりますし、接待のつらさも裏を返せば大きなお金が動いたり、華やかな仕事ができていたりするということになります。
広告営業は形の無いものを販売しており、その成果は営業によって大きく異なります。広告の掲載枠は同じであっても同じクリエイティブは2つと存在しませんし、同じクリエイティブであってもタイミングによって成果は異なります。
広告営業はこのような結果の見えない商品を販売しているので、プレッシャーも人一倍になりますが、成功した時に得られる達成感もまた人一倍に感じるでしょう。
広告営業のメリット
広告営業は実力次第で高給が狙える業界です。
平均年収が1,000万円を超える会社もありますし、求人広告のように広告営業の中でも年収が低めの業界でも成果を出せば、きちんと高給を狙うことができます。
また、同業者間での転職も比較的容易ですし、独立することも可能ですのでキャリアに対する自由度も高いです。
また、激務であると言われていますが、多くの広告会社はBtoB営業なので週休2日ですし、仕事をコントロールできるようになればきちんと休みを取ることができます。
広告営業のデメリット
営業のデメリットとして挙げられるのが、クライアントに振り回される可能性があることです。
クライアントの要望を聞きながら広告を作成したり掲載することが仕事ですが、顧客の社内で要件が明確に決まっていないことも多く、きちんと確認しながら進めなければ途中で大きくちゃぶ台を返される場合もあります。
なかなか折り合いがつかずに、修正や追加作業を繰り返しているとどうしても激務になってしまいます。
また、多くの広告営業にはノルマが設定されていることもデメリットだと言えます。もちろん、達成できるノルマもありますが、会社によっては厳しいノルマを要求される場合があります。
広告営業に向いている人、向いていない人とは?
広告営業に向いている人と向いていない人の特徴についてそれぞれ説明します。
広告営業に向いている人の特徴
まずは広告営業に向いている人の特徴について説明します。
プレッシャーに強い
まず、広告営業に向いている人の特徴として挙げられるのがプレッシャーに強い事です。
営業職の場合、ノルマに関するプレッシャーはどの業界でも少なからずありますが、広告営業が抱くプレッシャーは対クライアントに対するプレッシャーです。
期日通り広告を掲載できるか、広告を掲載して成果を出せるのか、顧客との交渉など、ただ商品を販売するのではないプレッシャーを広告営業は感じることになります。
このようなプレッシャーに耐えられる能力が営業には求められます。
プロジェクト管理ができる
また、プロジェクト管理能力も広告営業には大切です。
広告営業の仕事は一人では完結しないことが多いです。社内のマーケターやリサーチャーと連携するのはもちろんのこと、ときには外部の業者もプロジェクトに関わることおあります。
広告営業はクライアントに対する窓口として複数の関係者との調整を行いながらプロジェクトを成功に導く必要があります。
そのためには、きちんとプロジェクトを前に進められるプロジェクト管理能力が求められます。
広告営業に向いていない人の特徴
続いて広告営業に向いていない人の特徴について説明します。
一定のルーチンで仕事をしたい人
まず、一定のルーチンで仕事をしたい人には広告営業の仕事は向きません。
広告営業は特定の商品を扱っているわけではなく、お客様のご要望に応じて広告の掲載を行います。よって、お客様のご要望によって、仕事は変化します。
よって、ルーチンワークにはなりにくいので、ルーチンで自分のペースで仕事をしたい人には広告営業はあまり向いていません。
コミュニケーションが苦手な人
コミュニケーションが苦手な人も広告営業には向いていません。
もちろん、営業としてのコミュニケーション能力も必要ですが、プロジェクトを成功させるためにはチームメンバーとのコミュニケーション能力も求められます。
チームメンバーとの間の意思疎通がうまくいかないと、顧客の要望をきちんと反映した広告ができないかもしれませんし、コミュニケーションミスによって締め切りに間に合わないかもしれません。
誰にでも好印象を持ってもらえるようなコミュニケーション能力は必要ありませんが、きちんと必要な事項は伝える、作業に支障をきたさない程度にはレスポンスが良いなどの最低限のコミュニケーション能力は必要です。
デキる広告営業の特徴、コツとは?
デキる広告営業の特徴や、営業のコツについて説明します。
広告ではなく成果を売る
広告を掲載してくれるお客様は、広告掲載自体が目的ではなく、広告を掲載することによって売上を増やしたり、人材を採用したりするのが目的です。
よって、営業が販売するのではなく、広告そのものではなく、成果です。
デキる営業は成果に焦点を当てて営業を行います。
斬新なクリエイティブを提案するよりも、他社事例で成果が出たクリエイティブや成功事例の方がお客様の心には響きます。
どう広告を掲載するではなく、どう成果を出すかを意識して広告営業をしてください。
紹介を狙う
テレアポや飛び込みのような手法で新規顧客を獲得しなければならない営業で、ずっとアウトバウンドで営業し続けていると疲弊してしまいます。
もちろん、はじめはアウトバウンドで成果を出す必要がありますが、デキる営業は紹介をもらえるような集客源を持っています。
定期的に仕事を発注してくれるクライアントも大事ですが、クライアントから他のクライアントを紹介してもらえるような関係性を構築することも重要です。
クライアントから紹介をもらえるためには、成果を出す事も大事ですが、クライアントと良好な関係を保てるように日頃からコミュニケーションをとっておくことも重要です。
モチベーションを保つ
どのような営業にも波があります。広告営業も仕事を立て続けに受注できるタイミングもあれば、しばらく受注ができない時期もあります。
このような受注できない時期において、営業としてのモチベーションを保つこともデキる営業が心がけていることです。
モチベーションを保つために自分なりの気分転換の方法を持って、スランプを脱出するために次の受注のための仕掛けを行っています。
成功事例・失敗事例を集める
広告営業で成果を出すために重要なのは成功事例・失敗事例を集めることです。
広告営業は広告掲載ではなく成果を売らなければならないのは説明した通りですが、成果をあげるためには成功事例・失敗事例を集める必要があります。
クライアントのご要望をヒアリングして、過去の成功事例、失敗事例と照らし合わせて、どのように広告を掲載すれば良いのかを考えることによって、精度の高い広告掲載が可能になります。
広告営業への転職方法を解説!有利になる資格、スキルとは?
広告営業へ転職するためにはどうすれば良いのかについて説明します。
基本的には同業からの営業
広告営業は広告を作るという営業の中でも、特殊なステップがあるので、基本的には同業他社からの転職となります。
よって、広告営業として働きたいのならば、新卒のうちから広告営業を狙った方が良いでしょう。
ちなみに、広告営業と一口によっても扱っている媒体によって、営業の方法は微妙に異なります。
例えば、広告営業という広い括りでは一緒だとしても求人広告営業と総合代理店のテレビCMの営業では、仕事の進め方や制作するクリエイティブも異なるので、ほとんど別の営業です。
広告営業の中でもどのような広告に関する営業をしたいのかはよく考えた方が良いでしょう。
未経験からでも転職できるのか
基本的には経験者採用ですが、未経験であっても広告営業になりたいという人は存在すると考えられます。未経験からでも広告営業になることができるのでしょうか。
広告営業と一口に言っても、ピンキリなので、待遇があまり良くない会社の広告営業については業界未経験であっても採用される可能性があります。
また、WEB広告やSP広告は拡大傾向があるので未経験であっても転職しやすい傾向があります。
もし未経験からの転職を狙う場合は20代半ば位までには転職をした方が良いでしょう。未経験から30代以上で広告営業への転職を狙うのは非常に困難です。
広告営業の資格・スキル
広告業界の営業に関する資格は存在しません。よって、取得しておけば広告営業への転職の際に有利になる資格というものは存在しません。
スキルについては、広告営業はコンサルティングの要素が強いので、コンサルティング営業の経験があった方が有利になるでしょう。また、コンサルティング会社でコンサルティングの経験を持っていても有利になるでしょう。
広告営業への転職方法
求人自体は転職サイトなどでも見つけることができますが、広告営業に転職するのならば転職エージェントを利用した方が良いでしょう。
広告業界は人気の業界ですし、非公開求人も存在しますので、自分1人で転職するよりも転職エージェントのサポートを受けた方が良い結果が期待できます。
広告営業からの転職先とは?
広告営業から転職する場合、どの様な転職先が考えられるのでしょうか。
同業内で転職する
まず、広告営業から転職するケースとして同業の営業への転職が多いと考えられます。
例えば、総合広告代理店の激務が嫌になり転職する場合でも、ハウスエージェンシーに転職すれば、給料は下がるかもしれませんが、激務からは解放されます。
このように、広告営業の仕事に嫌なことがあったとしても、大抵の場合は同業の待遇が違う会社にいけば問題は解決します。
コンサルティングやコンサルティング営業への転職
先ほども説明した通り、広告営業はコンサルティング営業の要素が強く、コンサルティング営業かコンサルティング会社へ転職するケースもあります。
広告代理店で培ったノウハウはマーケティングのコンサルタントとして活かすことができますし、クライアントの要望をヒアリングして最適なソリューションを提供するという意味ではIT営業などにも通じるスキルがあります。
求人広告やWEB広告の場合
広告営業の中でも求人広告営業は人材紹介会社や派遣会社などの人材業界内で転職するケースも多いです。
WEB広告営業は他のIT企業やベンチャーに転職するケースもあります。
これらの広告営業は、広告の中でも特定の業界に特化しているので、転職する際も業界内での転職が多くなります。